荒木経惟 「私、写真。」 丸亀猪熊弦一郎現代美術館
今年、78歳になる「アラーキー」こと荒木経惟「私、写真」展が、
丸亀猪熊弦一郎現代美術館で開催されています。
残りの人生を考えて、とにかくやたらと展覧会をやっています、そのひとつ。
ぼくが、中学生の頃には、その当時のぼくには到底理解できない、
でも、グロテスクな、なんだか不思議なパワーを持った、
エロチシズムと社会へのメッセージを感じていました。
今回の展覧会は、これまでに撮ったものを、
新たに作品にしているものがほとんど。
現像前のフィルムに、ペイントし印画紙に焼き付けたもの。
プリントしたものをに、ペイントしたもの。
保管の状態が悪く、劣化したフィルムをプリントしたもの。
中川幸夫さんへのオマージュ。
どれも、所謂「キレイ」なものは一枚となく、
そして、それらの全ては、「死」を意識せざるを得ないものでした。
どこか斜に構えた「シニカル」な態度は、荒木さんの社会へ対する、
「世の中そういうもんじゃねーだろ!」というメッセージなのか。
晴れやかな感情とは無縁の、社会の「影」を漂わせるが、
不思議と「愛らしさ」のような感情を抱く。
「死」がレイヤーに重なると、ドロドロとしたものから清涼感が現れる。
学生の頃、荻窪に住んでいました。
大学院の時に、右膝を痛め、隣の駅の阿佐ヶ谷駅の「河北総合病院」に通っていました。
人口過密地域の総合病院なので、診察までとても待ち、
薬をもらうまでも随分と待ちました。
ある時、薬を待っていると、黒いスーツを着こなし、
手入れの行き届いたプレーントゥを履いた紳士が薬を待っていました。
よく見ると、荒木さんでした。
後から考えると、その後亡くなった奥さんの薬をもらいに来ていたのでしょうか。
とにかく、メディアでの荒木さんとは全く印象の異なる、
静かな紳士であったことに驚きました。
ぼくは、良いと感じた「作品」について、誰がどのようにその作品を生み出したのかに
強い関心があります!
病院で観た荒木さんは、破天荒で前衛的な作品のイメージとは全く異なる姿でした。
人間荒木経惟さんは、ぼくが病院の待合で観た姿なのか?
それを確かめたくて、展覧会のオープニング・レセプションに伺いましたが、
残念ながら体調不良につき、欠席でした。
昨年、蜷川実花展を観ていた娘は、すぐに「この写真は凄いね!」と。
「絵画は、いまいちよくわからないけど、これは凄い!」と加えた。
「死」に「清涼感」を漂わせる写真家は、どのような佇まいなのか。
もう一度、生身の荒木経惟さんを見てみたい。
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Posted by: eddrugsgeneric.com | 2018.04.17 06:01