「部屋の中の部屋」 大岩オスカール
3回目となる瀬戸内国際芸術祭2016。
今年も、大岩オスカールさんの男木島での作品。
男木島の集落でも一際立派な住宅での作品。
まずは、昨年夏に現場視察に同行。
オスカールさんから2週間後にスケッチが届きました。
既存の住宅の中に90度回転した部屋があるという案。
いつも、どんな案が出てくるのか楽しみです。
2010年の作品は、その場所でマジックで絵を描く作品でしたが、
前回の「鏡の部屋」では、まったくドローイングの無い作品でした。
今回は、伊藤若冲に触発された、襖絵(ふすまえ)を主題としていますが、
それをストレートにみせるのではなく、回転した部屋に設置。
着工前に、模型を持参し、現場確認。
さらに、現実に可能な寸法や工法等の検討と予算調整。
日本で建築を学んだオスカールさんは、会話もメールも日本語で全く問題ありません。
メールで、作品の考え方や細部について意思の疎通を図り、現場を進めます。
襖絵は、ニュー・ヨークのアトリエで描くことに決定。
薄手のキャンバスに描くとのことで、襖にする際の検討をするためにサンプルを送ってもらう。
などなど、細かな部分もこちらから提案すると、比較的早く回答が出ます。
ほとんど完成し多段階で、備品などの小物の指示のために現場確認。
いつものことだが、建築に関しては何も言いません。(笑)
掛け軸は、オスカールさんに描いてもらいました。
吊っているように見せるために、数ミリ浮かせて設置。
壁の畳に設置する卓袱台の寸法は、畳の大きさから決定。
高さはやや低く、やや小さくつくっています。
座布団と、床の間に飾る花器と造花は、一緒に探しました。
取り付ける位置や角度は、ぼくに一任です。(笑)
一見とてもユニークな作品。
しかし、オスカールさんの新境地を開く作品となりました。
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