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2015.02.14

マリーナ・ショウ Live! in 高松

これまでに体験したことのない音楽空間でした。

昨年末のことでした。
あのマリーナ・ショウが高松にやってくるという!

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同じアメリカのブラック・ミュージックでありながら、
ジャズとソウルはそのフィールドの違いからか、
両方をクロスオーバーするアーティストは数少ない。

そんな中で、マリーナ・ショウは、その両方のフィールドに
縛られることなく、縦横無尽に豊かな表現力で歌う稀有な存在。

しかも、1975年の彼女の珠玉の代表作
「Who Is This Bitch,Anyway?」の
メンバーがバックを務めるという!

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ギターのデイビッド・T・ウォーカーは、自身のアルバムも数多く、
マービン・ゲイ、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン等の
多くの作品に参加する伝説のギタリスト!

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ベースのチャック・レイニーも同様に、サム・クック、
アレサ・フランクリン、クインシー・ジョーンズ等と活躍した
伝説のベーシスト!

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しかし、彼らはいずれも知る人ぞ知る存在で、
高松以外には、ジャズクラブの「ビルボード」で、
東京で3日間、大阪で1日というやはりマニアックな行程。

「ビルボード」は、大都会東京と大阪で座席数300程度。
高松では、サンポート高松大ホールで、キャパシティは1500席!

直前まで予定が立たず、ようやく2週か前に、
奥さんも娘も行けることとなり、
主催者の「街角に音楽を@香川」の鹿庭さんにチケットをお願いすると、
1階席なら最後尾、2・3階席も前列は埋まっているという盛況ぶり。

当日、学校から帰宅する娘を待って、会場へ。
しばらくぶりの本格的なライブだが、
高松でのライブがどんなものになるのか想像できない。
というのも、東京なら、本当に黒人音楽に精通した人がほとんどだけど、
だけど、どう考えても、高松にマリーナ・ショウを知ってる人は
1000人もいない!(笑)

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開演30分前に会場に到着すると、既に大勢の人!
東京で、黒人音楽のライブがあると、15分前でも半分の人。(笑)
オンタイムでスタートすることはないし、
ミュージシャンも、観衆も、そこはなんとなくそんな感じ。(笑)

地元だけに、顔見知りも多く、挨拶を交わすも、
「この人、絶対マリーナ・ショウ知らん!」という方多数!(笑)

天候の加減で、スタートが30分近く遅れましたが、
これが東京だと、どうってことはない出来事。(笑)

定刻開始に慣れている人が多かったのか、ややピリピリした雰囲気の中、
「やあやあ!」という感じで、いきなり全員登場!(笑)

「遅れちゃったけど、誰も悪くないのよ。
 だって、わたしたちみんなここにいるじゃない!」
と、マリーナが見事一瞬にして、空気を和ませ、一曲目がスタート!

学生時代から数多くのライブを体験しましたが、
こんなにおおらかであたたかい雰囲気のライブは初めてでした!
派手さはないが、豊かな抑揚の効いたバックの演奏と、
ジャジーだけど、ソウルフルな慈愛に満ちたマリーナの歌は、
贅沢で芳醇なサウンドでしたが、それだけではなく、
会場に詰めかけた人たちの、大切な家族に送るような声援が
相乗効果となり、信じられない空気感を生み出していました。

それは、まさに音楽の「Magic」の瞬間でした!

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主催者の鹿庭百弘さんは、高松の老舗の鞄屋さん「カニワ」の次男坊。
家業を継ぐために高松に戻るまでは、レコード制作会社で活躍し、
高校時代には佐野元春とバンドを組み、
今でも叩く、ジャズ・ドラムの腕前はプロ級!
その鹿庭さんが、数年前から音楽を広める活動を始め、
地道に活動してきた結果「よくわからないけど、すごくイイらしい!」と、
多くの人たちが鹿庭さんの顔を思い浮かべながら、
マリーナ・ショウのライブに足を運び、
鹿庭さんの音楽に対する愛情が、奇跡の瞬間を生み出したのだと思います!
演奏終了後にステージ上で鹿庭さんの撮った写真が、
その雰囲気を雄弁に物語っています。

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鹿庭さん、準備も大変でしたでしょうが、当日は開始が遅れ、
相当ヤキモキしたことと思います。
しかし、鹿庭さんの音楽への深い愛情は、
音楽の神様からの素晴らしいご褒美の瞬間をもたらしましたね!
本当に素晴らしい音楽をありがとうございました!

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