中学卒業
娘の通う太田中学校の卒業式でした。
東日本大震災の後、入学式で「一日一日をしっかり生きる!」と
「新入生の誓い」を立てた日から、はや3年。
中学の3年間は、からだもそうですが、大人へとこころが一番成長する、
だからこそ、ぼくの中ではもっともしんどかった3年間でしたが、
娘も小学校とは全く違う成長を見せてくれました。
大人への成長とは「自立」への過程。
覚悟はしていましたが、小学生とは異なり、
ハグすることがなくなるどころか、親の存在を煩わしく思う。
家での親に対して反発する態度や言葉は、
覚悟はしていたものの、つらいものです。
学校ではしっかりやっているし、家で吐き出すくらいよいけれど、
「それでいいよ」とは言えず、たしなめる。
これも、親と子の適切な距離感を獲得するための
必要な過程だったのだと思います。
ソフトボール部へ入部早々、4人の新入部員とはケンカの毎日。
経験者は娘だけで、6名の3年生は遠慮してあまり事細かに教えない。
2年生は寡黙なプーみお先輩一人だけ。
経験者の娘はレギュラー確定で、他の誰かが必ず試合に出るのに、
ルールもわからない。
そこで、娘が教えるも、気の強い子達は言い争いばかり。
しかし、この時間が良かったのか、たった4人の部員は、
姉妹のような確かな絆で結ばれました。
総体が終わると部員は5名に。
試合どころか練習もままならないありさま。
新人戦は、他の部員を借りて出場するだけ。
2年生になった春は、新入生に入ってもらうために娘は奔走しました。
「入部してくれたらすぐ試合に出られます!」とのチラシを配布。
公なアピールのチャンス「部活紹介」では、持ち時間をしっかり練って、
それが功を奏し15人もの後輩が出来ました。
他校でもよくある事態で、普通、どうすることも出来ない事ですが、
娘は、自分の力でこの状況を変えてみせました。
総体が終わって新チームになると娘がキャプテンに。
試合には娘たち2年生4人と未経験者の1年生。
経験不足が明らかな彼女たち。
総体後から、顧問の先生に練習試合を組んで欲しいと
嘆願するも「まだ早い」と。
みんなまだまだ経験が浅いので、ひとり2つ以上のポジションの練習を
娘がやらせていると、顧問は「そんなこと必要ない」と。
顧問の先生は専門的な知識がなく、指導にも積極的ではない中で、
自分なりに練習方法を考えてのことなのに、
頭ごなしに否定されて腹もたった事でしょう。
しかし、それ以降、娘は顧問にお伺いを立てることにし、
「こういう内容の練習をしようと思うのですが、どうでしょうか?」と。
結果、顧問の先生を協力的に巻き込むことが出来ました。
経験値が上がって、考えてプレーするようになると、
新人戦で初の県大会への進出、そしてあわやベスト4という活躍!
ダークホース、太田中の戦いぶりは話題となり、
その後は練習試合の申し込みが多く、練習試合には困らなくなりました。
強豪、高松東高と高松南高から、合同練習に呼んでいただき、
強化大会への招待など、強いチームとの試合経験も積みました。
しかし、以前の自分たちくらいのレベルのチームには、
どう転んでも負けないようになると、「過信」そして「慢心」。
こうなると、日々の練習がだらけてきて、弱いチームとの試合でも
試合運びが軽くなり、強いチームと試合するときの心の持ち方が、
異なりすぎて、重圧。
これは、厄介でした。
総体は、四国大会出場を目標にできるところまでは行きましたが、
やはり、専門的指導者のいる学校との日々の積み重ねの差異は、
簡単なものではありませんでした。
ケンカばかりしていた同級生4人と、たくさんの後輩ができ、
チームの雰囲気づくりから、練習メニューやオーダーなど、
実質的な運営を自分で考えざるを得なかった環境は、
人の心は簡単なものでないことを学んだことと思います。
学校行事でも、リーダーシップを発揮しました。
春の運動会では、積極的に運営に関わり、
秋のコーラス大会では、指揮者としてクラスをまとめることに腐心。
真剣であるがゆえに、一喜一憂していました。
生徒会は、学校でも優秀な子供たちの集まりであり、
ある種、尊敬の的です。
好奇心旺盛な娘も参加するのかと思っていましたが、
放課後、多くの時間を取られることになるので、
「わたしがいないと練習出来ないから」と、
実質的に練習を取り仕切っているキャプテンとしての立場を優先。
すごく、大人な判断だと思いました。
総体が終わると、後は受験です。
入学時「1番を獲る!」と言っていましたが、
優秀な子供の多い太田中では、簡単なことではありませんでした。
授業がわからないわけではありませんが、週2回の塾以外は、
ほとんど勉強もせず、日々勉強している子との差は開くばかり。
何事も、自分でやる気にならないと身につかないと考えているので、
ぼくたち親からは「勉強しなさい」とは言いませんでした。
3年生になった直後の模試が、これまでにない悪い出来。
奥さんが見かけた「お風呂で号泣してた」日からは、
週3回の塾の日以外も毎日、部活が終わってから塾へ自習へ。
総体が終わって、夏の塾の強化合宿以降は、目標へ向かって、
一心不乱に勉強に取り組むようになりました。
大晦日もテレビを観ないと宣言し、年が明けてからは、
携帯も電源を切ったまま。
しかし、同じように取り組んでいる子はたくさんいるので、
成績は確実に伸びてきましたが、
一足飛びというわけには行きませんでした。
受験本番を終え、晴れ晴れとした顔で、
「これで落ちてても、悔いはない」と。
この7ヵ月あまりの彼女の集中力と精神力は、
どんな結果であろうと、彼女のこれからの人生の
支えになるものだと感じました。
自らの様々な経験と成長を手に取るように感じた中学生活。
万感の思いで卒業式を迎えたことと思います。
義務教育はこれで終わりました。
しっかりと成長した娘を誇らしく思います。
いろんな困難や問題があったけど、しっかりと乗り越えて、
確実に成長を感じられる有意義な3年間でしたね!
みお!卒業おめでとう!
ひとまず、しっかり遊んでください!(笑)
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