「沙弥島」 瀬戸内国際芸術祭2013 春会期閉幕
3月20日よりスタートした、「瀬戸内国際芸術祭2013」の
春会期はあっという間に最終日。
娘も部活が休みのため、家族で沙弥島へ出掛けました。
古代インドの世界観において、世界の中心にそびえるの
サンスクリット語の「スメール山」が、仏教とともに
日本に伝わったのが「須弥山(しゅみせん)」。
その世界観からか、沙弥島(しゃみじま)。
この日は、坂出青年会議所主催の「坂出塩まつり」が、
我が師 山本忠司の設計による「瀬戸大橋記念館」前の
広場で催されており、顔見知りと顔を合わせながら、
あれやこれやと昼食。
まずは、元気と創作意欲の有り余る、ターニャ・プレミンガーの
「階層・地層・層」。
広い芝生の広場越しに近づいてくる作品は、
最初は、土の塊でしたが、見事な芝生となり、
周囲にうまく溶け込んでいます。
ターニャは英語で、讃岐弁の重機のオペレーターとケンカしながらも
つくり上げられた作品は、おおらかで優美な曲線を保ち、
その小径に誘われる運動は、周囲の見え方とも相まって、
とてもユニークですので是非とも体験されることをオススメします!
この日のように、大人数だと、ルートが決められていましたが、
思うままに、気の向くままにルートを選べる、
混んでいない時間帯がさらにオススメです。
次に、五十嵐靖晃さんの「そらあみ」。
当初は、この作品の沖の消波ブロックに設置を検討していましたが、
紆余曲折を経て、現在の場所へ。
漁師さんたちに編んでもらったあみが、風に踊っています。
この奥に、これまた我が師 山本忠司設計の「万葉会館」があり、
馴染みの深い場所でした。
沙弥小中学校の会場へ行くと、大変な行列。
廊下には、戸矢崎満雄さんの「名も知らぬ遠き島より」。
島崎藤村の「椰子の実」ではなく、流れ着いた発泡スチロール。
真っ暗な教室には、佐久間華さんの「塩の結晶~落ちた玉汗 砂が吸ふた~」。
網に塩を結晶させた美しい作品。
大畑幸恵さんの「カイソウ-shamijima-」は、海岸に打ち上げられた
貝殻を細かく砕いて貝殻粉とし、それを用いた作品。
163cmの身長になると、教室に描かれた瀬戸大橋と、
窓の外の瀬戸大橋が連なるという作品。
最後の教室には、林健太郎さんの「SHIRO」は、
実際に設置されている黒板をうまく利用したCG映像作品。
海へ向かうと、芝生の広場があり、そのナカンダ浜の手前に
ちょっと大きなベンチの作品、藤本修三さんの「八人九脚」。
ここからの瀬戸大橋を抱く瀬戸内海は絶景!
とてもおおらかで、美しい場所です。
その広場では、万葉ルックに身をまとった子供たちが給仕をしてくれ、
お茶をご馳走してくれました。
春会期のみの開催となる沙弥島。
そのせいか、開幕から大勢の人が沙弥島へと足を運んでいるとの
経過を耳にしていましたが、なるほど、沙弥島はやはり「島」。
陸続きになっているとはいえ、ゆったりとした、
おおらかな時間が流れていました。
Recent Comments