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2013.03.13

ターニャ・プレミンガー「階層・層・地層」

イスラエルを拠点に活動する、69歳のロシア人アーティスト!

沙弥島に土を盛り、それを造形する作品。
http://setouchi-artfest.jp/artwork/a1001


作業開始の前日は、作品制作に関わる工事関係者との打合せ。

しかし、現場に到着したターニャは、
イスラエルから持参した「マイ・スコップ」を持って、
山に向かって一目散!(笑)

興奮して、すぐに、掘り始めました!(笑)

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翌日、バックホウ(ショベルカーのような工作機械)の
オペレーターと、英語と讃岐弁でやり取りしながら、
何とかうまくいっているのかと思えば、そうでもありません。(笑)

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土の表面は、芝生で覆われる計画ですが、
土は、雨で簡単に崩れます。

イサム・ノグチ庭園美術館の裏にあるこんもりとした山も、
大雨で3度ほど流され、そして現在のかたちに落ち着いたそうです。

雨が大地を削って、地形ができるのです。

ですから、オペレーターは、讃岐弁と身振り手振りで、
「しっかり表面を固めないと雨で流れる」と伝えるも、
ターニャは「これで大丈夫!私のつくったカタチが変わるのは嫌だと」
英語で応戦し、押し問答!(笑)

そこに、アートフロントの担当の下岡さんと藤田くんも加わり、
あの手この手で、ターニャを納得させる!

雨で崩れるから、固める必要があることは認めるものの、
バックホウの平面の機械で緩やかな曲線は出来ないと主張。

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しかし、オペレーターの繊細な操作に納得し、
なんとも言い難い、張りのある曲線が見事に出来上がりました!

頑固なおばあちゃん、流石です!

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山口啓介「歩く方舟」

東北へと向かう、まさに「歩く方舟」です!

当初の計画では、16mの大作!

しかも、先頭の足は海に入っていました!

そこから、構造と予算の関係で、原案に。
http://setouchi-artfest.jp/artwork/a054


舟も、脚も、FRPで作製しましたが、
段々に積層した感じは、FRPでは難しいと
当初から伝えてありましたが、施工を担当した、
「北原建築工房」の北原正敬さんのチームが、
見事にエッジの効いた作品に仕上げてくれました!

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温厚で口数の少ない山口さんですが、
ご自分が納得できないことには妥協しません。

奥さんの作子さんとまさに夫唱婦随で、
作品の完成度を上げるべく、取り組む姿勢に、
作品にかける思いと情熱を見せつけられました!

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設置場所は、女木島から男木島へ向かう際に、
最初に見えてくる小中学校の下の漁港の右手の防波堤。

ここへの設置許可には、建築基準法上の工作物としての、
安全基準を満たすことが必須の条件でした。

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しかも、通常の男木港からの道幅は狭く、搬入不可能。
一旦、漁港へチャーター船で運び、そこからは、
軽トラックに前を載せ、後ろは架台に載せ押して行く。

誰も通らない道なので可能でした。(笑)

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この場所からの瀬戸内海は、とても美しく、
屋島や五剣山、そして島々の描くスカイラインと、
方舟の頂部の凹凸は呼応しています。

組み立てられる様からとてもシュールで、
完成が楽しみな作品です!

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大岩オスカール「鏡の部屋」

瀬戸内国際芸術祭2013の開催まで、1週間となりました!

ですが、まだまだ各作品、追い込みです!(笑)

今回ぼくがかかわっている作品を紹介したいと思います。

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まずは、前回の芸術祭でもお手伝いさせていただいた、
大岩オスカールさん。

前回の作品とは打って変わって、ドローイングなしです!

簡単に言えば、「マジックミラー」の効果を狙った、
とても不思議な空間です。

「芸術」とは、究極的には、網膜にどのように作品が映り込むのか、
その効果の如何が、作品の質を決定します。

「マジックミラー」の原理はわかるものの、
それを実現させるのは簡単ではありませんでした。

うまく行くのかどうか、ものすごく不安で、
年末年始も心が休まりませんでした!

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先日、現場を訪れた、オスカールさんの反応に、
ドキドキしていましたが、マジックミラーの効果には、
全く触れず、拍子抜けしましたが、
予想通りの効果が出てたものと解釈しました!(笑)

写真は、あくまでも制作の過程です。

http://setouchi-artfest.jp/artwork/a056_3


完成は、お楽しみに!

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