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2010.12.09

『レオニー』

イサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアを描いた、
松井久子監督、待望の3作目『レオニー』。
 
Reoni
 
2作目の『折り梅』は、映画に関心を持った人たちが、自主上映を行うという、
珍しいかたちで全国各地に草の根的に広がりました。

その高松での上映の際に訪れたのが、イサム・ノグチ庭園美術館。

晩年、自らが彫刻家として強い関心を抱いた「石」とともにある、
牟礼のまちに日本の原風景を見出し、掘り出されたままの自然石と
イサム・ノグチというアーティストがせめぎあい、互いが融合し昇華する
その生活と創造の場が、美術館として公開されています。
 
Isamunoguti
 
イサム・ノグチと作品、そして、牟礼の庭園美術館に衝撃を受けた松井久子監督は、
ドウス昌代の労作ドキュメンタリー「イサム・ノグチ 宿命の越境者」を手にし、
ことさらに関心を深め、次第に本作の着想へと向かったようです。

2006年、映画化がおぼろげに現実のものとなる中で、ロケハンを兼ねて、
地元の人間に関心を持ってもらおうという懇談会の際に、
この企画を知り、初めて松井監督とお会いしました。

2年前の寒い冬の日、香川での支援者が集まり、
具体的な制作へかかりますという、その報告会。
四国村の久米通賢邸の囲炉裏を囲んで、配給先、資金の目途が立ったこと、
それまでの苦労話に始まり、ここだけの話としながら、
キャストのこともうれしそうにお話してくれました。

着想から7年!
待望の上映!

もちろん、史実として、記録に残っていない部分が圧倒的なのですが、
ドウス昌代さんの莫大な裏づけ資料をベースに脚本。
 
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Roce
 
19世紀後半から20世紀にかけて、世界が目まぐるしく動く中で、
例え困難であることが明白な道であっても、その道を進む、
自分の意志と信念に強く忠実に行動するレオニー・ギルモアの生き方は、
イサム・ノグチの生き方にも重なります。

また、近代化される中で、忘れられていった
ぼくらのDNAに深く刻まれている往時の日常の生活様式や風景が
そこに「美」を見出した母レオニー・ギルモア、
そして息子イサム・ノグチの原風景として美しく描写されています。

ジェンダーとしての「女性」、そして、「母性」という視点。
これは、松井久子という表現者からは不可避なこと。

イサム・ノグチさんの、母親に対する感情は複雑で、
かたちを変え、作品において、直接的に、隠喩として、
また時に無自覚な内奥の潜在意識として現れているように思います。
 
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イサム・ノグチにとって、「芸術家」として「自ら」を顧み見つめる時、

母 レオニー・ギルモアという存在は、避けては通れないアイデンティティで、
生涯を通して取り組んだ、まさに「主題」だったのではないかと思います。

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Comments

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Tracked on 2011.01.04 03:30

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