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2009.11.11

「何苦礎魂」岩村明憲 

野茂以降、たくさんの日本人選手がメジャーへ移籍したが、
存分に力を発揮している数少ないプレーヤーである。
 
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シュアーな打撃はもちろんのこと、球団の事情により
3塁からより動きの複雑な2塁を守ることになっても、
難なくこなすほどの身体能力の高さを誇り、
昨年は、弱小球団のレイズをワールド・シリーズへと導き、
今年のWBCでの活躍も記憶に新しいところである。

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「何苦礎魂」は、本人のブログのタイトルやグラブに刺しゅうしたりと、
岩村選手が座右の銘としている言葉。

これは、ヤクルト時代の恩師 中西太氏から送られた言葉で
「何事にも苦しむことが礎(いしずえ)となる」の意。

その中西太さんはぼくの母校 高松一高の大先輩である。
高松市立唯一の高校であり、高松市と姉妹都市である
セントピーターズバーグとは、教員と学生の交流があり、
だから必ず一人は米国人の先生や生徒がいたし、
先生や学生の誰かが留学に行っていた。

そのためか、ぼくの在学中に国際英語コースなるものが出来たりしていた。

ところが、ここ数年の不況のあおりからか、セントピータズバーグ市の
資金難から、派遣交流が存続の危機となった。
そこで救いの手を差し伸べてくれたのが岩村選手であった。

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彼の所属するレイズがセントピーターズバーグにあることに加え、
宇和島市出身の岩村選手にとっては、同じ四国であり
恩師 中西太氏の出身地である高松との交流事業であることから
協力することになったのだろう。

外見から、やや派手な印象のある彼であるが、
堅実な守備、高い走塁への意識、チームへの貢献を主眼とする打撃、
チーム内での自分の役割の実践など、実に真摯でひたむきな人間である。
今回のことに限らず、そして生まれ育った故郷にとどまらず、
社会貢献への意識は非常に高い。

そんな岩村選手が、レイズを離れピッツバーグへと活躍の舞台を移す。

だから、仮に支援を中止しても、誰も彼を責めることはできない。
そうなったとしても、決して彼への恩を忘れることなく、声援を送りたい。

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