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2008.11.25

卒団式

昨日は、娘の所属する「太田ジャガーズ」の卒団式。
引退する6年生の送別会。

今年は、たったふたり。

新チームを結成時に、ヘッド・コーチに就任し、
一年余、ともにしたことになります。

ふたりともからだは大きいが、性格は外見的には正反対。

   

200802

   

川口は、おとぼけキャラというか、いじられキャラというか、
とにかくしゃべってるので、誤解も招く。
基本的には照れくさいのだと思うが、余計なこともついつい口にしてしまう。
なのに、傍目よりも緊張するタイプで、舞い上がる。
練習でも、落ち着いて打席に立てた時は、いい当たりが飛ぶ。
しかし、なかなかそういう状況をつくれない。
守備にしても、走塁にしても同じ。
しかし、憎めない彼のキャラで救われたことしばし。

キャプテンの久保は、基本的には優等生で、おとなしい。
とても器用ではないタイプだが、コツコツとできることを確実に増やしてきた。
ピッチャーを始めた当初は、カウントを悪くすると焦り、
走者が出ると焦り、打球が飛んでくると焦る。
だが、状況に応じた精神状態を自分でコントロールできるように徐々になっていった。
制球が定まらないことに不安を感じているようだったので、
朝、30分走ることを勧めたら、走り始めた。
目標に向かって地道に努力するタイプである。

一昨日、そして今日も、秋らしい晴天。
しかし、昨日の日中は、ウソのような曇天。
降水確率は、日が近づくにつれどんどん上がり、80%!

久保チームと川口チームに分かれての壮行試合。
6年生はこの時期、どんどんからだが大きくなる。
久々の久保の球は、驚くほど速くなっていた。
春まで一緒にプレーしていた捕手 航大もビックリ!

川口チームの先発はマウンドに立つのも初めて?の川口!
在校生も十分に楽しんでいる様子だったが、雨が激しくなってきた!

3回で終了!

びしょ濡れの子供たちはいったん帰って着替えてから体育館に集合。

三々五々、集まりドッチボールに興じる子供たち。
野球での動きと違い、意外な子がリーダーシップを発揮し、
また、野球は上手なのに、ドッチボールは苦手な子もいて、
普段目にすることのない意外な動きが新鮮でした。

ホームラン競争などのアトラクションの後、最後のお別れ。

キャプテン久保が、これまでを振り返り、あいさつ。
思い出や感謝の意とともに、キャプテンとして、
もっと積極的にチームを引っ張ることが出来たのではないかと。

   

200801

   

新キャプテン トモが、ふたりに感謝の気持ちとともにことばを贈る。
自ら志願してキャプテンに立候補したトモだが、
こちらが捉えている以上に、キャプテンの責務を重く感じていたようで、

その重責を受け継ぐ決意を、涙を添えて述べた。

みんながその思いを受け止め、そして、それを忘れることなく、
来年の卒団式を迎えるまで、一緒にやっていければいいなと、
改めて感じました。

この一年間、しっかりと各人がレベルアップしてきたという実感はあるけれど、
公式戦での結果が伴わず、悔しい思いをしてきたと思う。

基本的にはまじめなふたり。
だから、失敗するのが当たり前、
そして、自らが望めば何度でも繰り返してトライすることのできる
野球というスポーツを続けることによって、学ぶことは多いと思います。

大好きな野球を、あきらめることなく、
続けてほしいと思います。

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2008.11.13

大琳派展

広島の建築家 窪田勝文さんのイタリアの国際建築賞 デダロ・ミノス賞を
3回連続授賞され、汐留での授賞パーティーに出席してきました。

翌日は、何かの機会があれば、と思っていた、
東京都美術館での「フェルメール展」に行ってきました。
フェルメールの作品は7点。日本最多。

Photo

また、ピーテル・デ・ホーホなど、同時代のオランダ デルフトの作家の作品。
そこにある景色をトリミングし、光が生み出す陰影、
北欧ならではの、ややハレーションを起こしたような空気感を、
そこで見えているように精緻に描いた作品という印象。
早朝にもかかわらず、たくさんの人で、フェルメール人気を実感。

実は、フェルメール目当てで、そのついでに行ったのが、
東京国立博物館での「大琳派展」。
結論からいえば、日本人として生まれた喜びを実感できる至福の時間でした。

超有名な「風神雷神図屏風」を俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一と
見比べられるのは至極贅沢!

そのオリジネーターは俵屋宗達。
 

Photo_2

 

風神と雷神を対に配することで、なにも描かれない「間」を生み出し、
背景となる金箔が発する淡い光の空間そのものを際立たせようとしている。
風神雷神は、ややおぼろげにそして、全体に幽玄さを醸し出す。

これぞまさしく国宝!

他に、同じく金箔の下地に満開の桜を描く「桜芥子図襖」。
 

Photo_3

 

作品保護のため上下からの照明を最小限にしているが、
屈んで見上げると、風神雷神図では、濃淡をもって描いていたのに、
なぜかぺたっとした筆使いで描かれた桜が、照明に照らされた夜桜の如く、
浮かび上がる!


「琳派」の由来となった尾形光琳。

 

Photo_4

 

構図は相似しているかのようで、やはりまったく別の作品である。
宗達が、絵全体が醸す「空間」を生み出そうとしているのに対し、
光琳のそれは、宗達のそれにとらわれすぎたのか、やや勢いに欠ける。
しかし、「紅白梅図屏風」では、勢いよく大胆な構図で、
光琳なりの宗達への答えを独自のものとしている。

Photo_5

 

そして、酒井抱一。

 

Photo_6

 

宗達の「風神雷神図屏風」を知らず、光琳のそれに大きな衝撃を受け描かれた。

光琳は、宗達の絵に薄紙を当て、トレースしたのに対し、

抱一は模写である、ゆえに細かな表現は大いに異なる。

しかし、それより何より、ビビッドな色遣いと、

どこか艶やかで晴々しい空気は、生き生きとした勢いを感じる。

そして、光琳の「風神雷神図屏風」の裏に、その変奏として、

枯れた銀箔地に、夕立にうちしおれる夏草と、

野分に吹き上げられる秋草を「夏秋草図屏風」として描いた。

Photo_8

 

見る者に訴え、投げ掛け、圧倒的な熱量を与える作品は、

どこか儚げな憂いを持つ。

それは、そこに込められた情念の深さと、生み出されるまでの葛藤、

そして、それを描きだす技術を超えた「何か」が生み出すのでしょうか。

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