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2008.10.31

「山越うどん」

さぬきうどんの東の横綱に鎮座するのは、「山越うどん」である。

香川で一番うまいうどん、ということは、日本で一番うまいうどん。
ということは、世界で一番うまいうどんである。

全盛期の江川のストレートを彷彿させる、
キレのよい、伸びのよい、コシのある、剛速球! ではなく、うどん!

うどんのあり方には、様々なものがあるが、
洗練されたうどんの完成系として突出している!

  

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1998年11月3日。
この日は、ぼくが意識的にうどんを食べ始めた日である。
その日、覚悟をし挑んだのが、「山越」と「宮武」である。
学生時代を除いて、香川で生活していたぼくは、
自分なりにさぬきうどんのことを知っているつもりだったが、
「山越」のうどんは、一瞬にして「うどん観」を変えた!

もうそれは、衝撃だった!

それから狂ったように、一月に100件のペースでうどんを食い始めたのは
これまでにも書いてきた通りである。

先日、久々に訪れた。
今では、超有名店となり、土曜日や祭日などは大変な行列である。
香川で初めてうどんや巡りツアーを企画した久本酒店の佐藤哲也社長は、
ゴールデンウィークに、何人並んでいるのか数えに来たほどである!
だから、平日の開店間もない、行列の無い「山越」は、贅沢なのだ!

  

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それでも、やはり店内は大勢の人である。
カルボナーラうどん「かまたま」発祥の店として名高いせいか、
ほとんどの人は「かまたま」を頼んでいる。

ご存じのことと思うが、うどんは、茹でて、最後に水で締める。
水で締める直前に、釜から揚げるので、「釜揚げ」。
それに、卵をまぶしたのが「かまたま」。

 

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さぬきうどんのバイブル「恐るべきさぬきうどん」の第1巻にもあるように、
「山越」のうどんのあの奇跡的なツヤとコシは、
最後に締める、綾側の伏流水、上質の井戸水が生み出すのである。

たまにしか来ない人が、噂の「かまたま」を食べたい気持ちはよくわかる。
だから、あえて「かけ 冷たいの一玉」と頼む。
10人ほど「かまたま」を待っていた列をスルーし、会計で150円。

それだけを食べる優越感!

冷たいだしと、うすくち醤油を少し。

奥のパラダイスと化したガーデンで食す!

うまい!

幸せになる!

このうどんをいつまでもつくり続けてほしいと、心底思う!

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2008.10.28

太田ジャガーズjr 新人戦優勝!

太田ジャガーズjrが、高松市の新人戦で17チームの頂点に立った!

 

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準決勝の相手は、古高松南ビクトリーズjr。
初回、1点先制するも、3点取られすぐに逆転を許す。
しかし、2回すぐに同点に追いつき、3回4点を奪う。
2回以降は、0点で凌ぎ、6回一挙6点を奪い、さらに突き放す!
最後に2点を奪われるも、13-5で決勝進出!

前日は、建築士会の全国大会に参加し、朝、駆け付けた。
当初は、朝から翌日まで、青年会議所の研修旅行に参加予定でしたが、
夕方、メインの会合に合流するよう調整。

シニアは、午後から練習。
時間の都合で、参加しても2時間なのでどうしようかと思ったが、
フリー打撃で、150球投げてから岡山へ。

青年会議所の旅行は、今年卒業する、Tさんの慰労が目的。
まちづくりのいろはから教えていただいたTさんに出会えただけで、
青年会議所に入会した意味があったと思える人。

しこたま酒を飲み、7時すぎの電車に乗り、決勝へ。

相手は、事実上の決勝戦と思われた準決勝で、
一宮ジンジャースjrとの接戦を5-4で制した木太南ファイターズjr。
初回、4番達也の二塁打などもあり、3点先制!
しかし、その裏すぐさま追いつかれる。

コントロールのいい相手投手を打ちあぐねる間に、
制球に不安を感じながら投げる達也は、四球もあり、
3回に2点、5回に3点と5点差をつけられた。
6回、4点を奪い、1点差に迫るも、その裏1点を奪われ、2点差!

最終回、2死2・3塁と同点のチャンス!
打てなければ終わりの場面で、チャンスに強いタイチが、
センター前にクリーンヒット!同点!

その裏を抑え、判定戦に!

無死満塁からのタイブレークは、ジュニアでは何点の勝負になるのかは難しい。
この場面は、先頭打者が肝要!
チームで、ユニフォーム姿が一番かっこいい、悩める紳太から!
スクイズでまず1点!
簡単な球ではなかったが、簡単に決めた!
ここから波状攻撃!

子どもたちは、4・5点取ると、勝った気分になり、緩む。
ここは、「もっともっと」「まだまだ行くぞ」という気持ちが重要!
「Go!Jaguars!Go!」で、行け行け!

この回、なんと9点!

達也の投球を考えると、ジュニアレベルでも十分にセーフティーリード!
相手に、追いつくのが難しいとひとまず思わせることが可能な点数!
点を取られることを気にせず、アウトを確実に奪うので十分。
目先の得点を防ごうとすると、キズが深くなる可能性がある。

4点を取られるも、ツーアウト!
いい当たりのセンターフライを、3年生ソウタがキャッチ!

優勝の瞬間、全員が指を天に向け走り寄る、練習通りのパフォーマンスで終幕!

閉会式の表彰でも、晴れやかな顔の子供たち。

負けた相手は、悔しかったのだろう、泣きじゃくっている。
4年生の選手に必要なのは、「捕る・投げる・打つ・走る」の
きちんとした「型」を身につけること。
戦術やゲーム運びは、少しずつ覚えていけばいい。
準決勝・決勝の相手は、さすがに「型」のきちんと出来た選手が多かった。

勝負運は持っているのだろう、幸いにも勝ったが、
悔しさは、忍耐力を育てる。

優勝おめでとう!
そして、さらにがんばれ!


自由参加だったが、ほとんど全員が応援に駆け付けたシニアの子供たち。
負ける悔しさを知っている彼らは、
練習でもやっと、心の底から声がでるようになった彼らは、
勝つことの難しさを知っている彼らは、必死に声援を送った。

表彰式を見る彼らの眼は、誇らしさと、そして悔しさで満ちていた。

閉会式の途中で、学校での練習へと向かう。

小雨が降る、ジュニアのいない閑散としたグランド。
みんなの覚悟の表れか、いい緊張感での練習。

ひとつずつ、少しずつ、悩みながら成長すればいい。

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2008.10.24

しっぽく

朝夕が肌寒くなると、あったかい食べ物が欲しくなります。
ぼくは、「しっぽく」が大好き!

 

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嫁の得意料理のひとつで、機嫌がいいとつくってくれます。
元々は長崎の「卓袱(しっぽく)」がはじまりで、かたちをかえ、
全国各地にそれぞれちがった「しっぽく」を生んだようです。

香川のしっぽくは、大根・ごぼう・にんじん・とうふなど、
季節の野菜をふんだんに使い、家庭によって具は異なります。

うちでは、しめじなどのキノコ類・揚げ・長天・さといも・鳥肉は入れますが、
とうふは入れません。

これは、何食続いても飽きません。

2日目は味の染みた具と、新しく加わった具の違いも楽しめるし、
だし自体も、具材のうまみがでてさらにおいしくなります。

うどん通のぼくですが、香川のつなぎの小麦粉の方が多いそばも好きです。
うどんを食べるなら、玉買いしてくるうどんか、
市販のものなら「日の出製麺所」の太目のうどんがおすすめ!
冷凍うどんも、加ト吉でもいいのですが、
うどん通ならご存じの通り、元の「ピギー食品」、
原在の「日清冷凍食品」のものがおススメ!
スーパーのオリジナルブランドもあるので、製造元を確認して買うべし!

そして、たっぷりのしょうがと、ネギは必需品!

これがまた、ビールや芋焼酎とよく合う!

最高!

以前、酔っ払って帰った時のこと。
「今日は、しっぽく」と、聞いていたが、飲み会で遅くなり、
帰宅し、食べようと思ったが、この一杯がデブの元、と、
そのまま食べずに寝た。

深夜、トイレに起きた時、何だか焦げ臭いニオイ!
そのニオイは、キッチンから。
寸胴鍋で大量につくられたはずのしっぽくが黒焦げの炭に!

そうです、いったん食べようと火を付けた後、
火を消すのを忘れていたよう!

慌てふためき、こういう場合、朝、嫁が起きるまでに、
復旧し、証拠隠滅を図るのが常だが、
これはさすがに無理とあきらめた!

あやまるしかない!

しかし、火事になんなくてよかったー!

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2008.10.15

発露

新チームになっての最初の公式戦、新人戦の相手は大野レッドホークス。

先発は、この夏にショートから投手にコンバートし、
強打中央イーグルスも抑えた、キャプテン トモ。
彼は、キャプテンのつける10番に相当な思い入れがあるようで、
キャプテンに立候補し、「1番は要らない。10番を下さい」と。

大野レッドホークスは、非常に鍛えられたよいチーム。
しかし、我が太田ジャガーズも、相当鍛えてきた。

2回、マサキの右中間への長打から2点を先制!

トモは、1・2回をパーフェクトに抑える最高の立ち上がり。
自分で考え、緩急をつけ、打者は打ちにくいはず。
3回、レッドホークスは、先頭打者に早くも代打。
背の小さな選手。
バントの構えから揺さぶられ、結果、四球。
また四球、そこからミスも絡み、
1点を取られ、なおも満塁の場面で、監督はマウンドへ行き、
選手たちを落ち着かせ、対応を指示。

直後、三塁手マサキのやや後方への高いバウンドのゴロ、
本塁送球を躊躇し、そこでどこへも送球できなかった。

結果、一挙に7点を献上。

しかし、5点はワンチャンス。
3点を取り、追い上げるも、またしても点を取られ、
11対5で最後の攻撃へ。

1点を返し、満塁の場面で、1番ユウキ。
打撃には並々ならぬこだわりを持つ彼は、
イチローのようなボテボテのヒットはいらない、
福留のようにホームランも打てる打者になりたい、と。
イメージは、左中間への強いライナー。

この場面で、イメージ通りの打球が飛んだ!
彼は、自称「チーム一の俊足」。
間違いなくホームラン。
1点差に迫り、次打者のトモに、初球のセーフティーバントがあるぞと、
心構えを伝えようとした瞬間、塁審がVサイン!
なんと、打球が外野のネットの下をくぐり抜け、エンタイトル・ツーベース!

結局、11-8で敗戦。

技術的には、遜色なかった。

では、何が勝敗の差を生んだのか。

選手は、教えたことを真面目に学び、実践しようとする。
だが、間違えずに振付を覚え、間違えずに踊ろうとする踊りで、
見る人の魂を揺さぶることなどできない。
その証拠に、間違えた途端に狼狽し、崩れる。
自らの生き方、野球に対する情熱を、勝ちたいという気持ちを投影できなくては、
強く自分を発露しなくては、チームは一つにならないし、勝てない!

マサキが真っ白になったとき、誰かが、命がけで声を出し、
助けるのが野球だ!

野球は、失敗のスポーツだ!
だから、ミスを犯したとき、チャンスで打てなかったとき、
みんなにすまないという気持ちと、自分自身に対する悔しさが欲しい。

そして、それはみんなで受け入れ、共有するものだ。

同じ日、ジュニアチームは、初戦の相手、
優勝候補の強敵太田南オークスを8-5で打ち倒す!
凄い!彼らのハートは強い!

翌日の2回戦は、初戦を22-0で勝ち上がってきた多肥ハリケーンjr。
少し時間があったので、ジュニアチーム結成以来初めての試合観戦。

初回、3点先取。
その裏、2人を簡単に打ち取るも、打ち取った当たりを、
きっちりとアウトにできず、2点を奪われる。
しかし、2回、波状攻撃、猛攻が止まらない!
途中で、場を離れたが、終わってみれば24-2で圧勝!

猛打炸裂!
ベスト4、一番乗り!
みんな、相当バットを振り込んでいるのがわかる。
気持ちが打球に乗り、発露していた!

野球というスポーツは、補い合い、助けあえる、だから素晴らしい。
まずは、個々人が惜しみない努力をし、
そこで培われた力を持ち寄って、試合で発露させる。

ピンチにこそ声を掛け合う、
そんな強い気持ちが発露する選手になろうな。

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2008.10.01

味噌煮込みうどん

広島の建築家 窪田勝文さんと、大阪の建築家 二宮俊一郎さんから、
ある使命を受けた。

名古屋の名物にタイトルの「味噌煮込みうどん」なるものがある。
口の悪い輩に言わせると、
「名古屋の味覚は壊れてる!その代表が味噌煮込みうどん」であると。

窪田さんは、「ありえない!」と言い、
二宮さんは、「あれはあれでありだと思う」。
さぬきうどんに精通するぼくに、そのジャッジをせよとのこと。

味噌煮込みうどんを代表する「山本屋本店」に行って来た。

まず驚いたのが、その値段である。
名古屋コーチンなどの具材が入ると、1500円を超える!
「味噌煮込みうどん」単品で(?)、1050円。

 

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お茶とともに、味噌麹で漬けたという自家製の漬物と、
だしが衣服に飛び散るのを防ぐためのエプロンが運ばれてきた。

そして、待つこと10分。

八丁味噌の、お世辞にも美しいとは言えない、グロテスクな色彩の中に、
うどんが見え隠れする。

早速、食べてみる。

固い!

コシのあるうどんは、決して嫌いではない。
むしろ、好みである。
が、このうどんは何かが違う。
さぬきうどんは、コシが勝っているうどんでも、グルテンが生む弾力がある。
また、弾力が勝っているうどんも、コシはある。

このうどんには、弾力が絶対的に欠けている。
皆無である。

さぬきうどんは、小麦と水と塩からできる。
小麦そのものに大差はない。
水と塩の塩梅が成否のすべてであるといってもよい。
だが、山本屋本店のHPによると、小麦と水だけでうどんをつくるらしい。

ぼくが、さぬきうどんを食べ歩くなかで理解したことがある。
ものすごくよいと思ううどんと、そこそこいいなと思ううどんの差は微妙である。
ものすごくよいと思ううどんは、時間が経ってもその味の記憶が薄まらない。
そして、また食べたいと思う脳内物質が分泌される。

さぬきうどんとは、別のものだと思えば、これはこれでありだということは否定しない。
また、店の客に対する細やかな対応は好感が持てる。

ただ、ぼくの判断基準から言うと、

再び食べようという興味を惹かないうどんだった。

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