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2008.04.28

初打席

娘が所属する「太田ジャガーズ」も、団員が増え、

春から、4年生以下で「太田ジャガーズjr」を結成。

野球に限らず、あらゆる分野のトップレベルの領域では、

持って生まれた能力に左右されるところが大きいが、

それでも、その裏付けとなる論理や技術が大変重要。

入団まで、まともに野球を見たこともなければ、

キャッチボールもしたことのなかった娘。

小さい時から、動くボールに対する反応を見て、

球技には不向きだと、そういった遊びをさせることもなかった。

何せ、バトミントンをしようと言うが、サーブがあたらず、

一向に飛んでこないありさま。

そんな程度で始めた野球。

近い距離でのキャッチボールもままならず、

うまくとれないので怖いし、おまけに視力も弱い。

変な取り方が癖になり、不格好で、何度試みても治らない。

右利きの娘は、ボールを捕るときに、左足を大きく出す癖がある。

前足体重で捕るのなら問題はないが、後ろ足体重なので低いボールが捕れない。

そこで先日、捕るときに右足を前に出させると、バランスよく捕れるようになった!

そこそこかっこよく捕れる。

バットを振る際、一番後ろにバットを引いた状態を「トップ」というが、

トップのかたちをうまくつくれないので、バットが波打ち当たらない。

バッティングセンターでも、20球中の大半は空振りで、当たるのは3球程度。

そこで、トップを安定させるために、肩にバットをかついで、

そのまま打たせると、効果てきめん、いい打球が飛び始めた。

もとがど下手なせいか、上達は驚くほど。

「みお、うまくなったねー」と、コーチのお父さん。

昨日、jrチームの初陣。

初の練習試合。

練習試合は、大抵2試合行い、1試合目はベストメンバー、

2試合目は、試したい事や、経験を積ませることが目的。

4年生の数名は、先日までシニアチームで練習していた選手たち。

中でも達也・航大は、シニアでも中心の選手だし、

健太郎・紳太も、このレベルでは安心して見ていられる。

対中央イーグルスjr初戦、超小学校4年生級の達也が見事完封。

10-0で快勝!素晴しいスタート!

2戦目に娘の出番が。

物おじしない娘は、お遊戯会やフラメンコの初舞台でも、

親の心配をよそに満面の笑み。

レフトでの守備機会を無難にこなした後、初打席。

結果は空振りの三振。

その時間、シニアチームの練習試合で別のグランドにいたが、

家に戻って、「どうだった?」と聞くと、

「緊張して足がガクガク震えた。」

ぼくも、4年生の初打席、緊張したのをよく覚えてる。

初球、高めのボール球を振ってしまった。

その後、打席で緊張したことは一度もない。

普段、緊張しないタイプではないが、

野球の場合、その場面で何をしないといけないのかを考えれば、

緊張する暇などない。

もちろん、不安を取り除く練習量に裏付けされた自信が必要。

娘は、日曜の朝6時からの同級生のソフトボールチームの練習に誘うも、

一度も行くと言ったことがなかったが、

昨日は、早起きし、参加。

ティーも100球は打ったし、ノックも30球受けた。

「打った?」

「三振」

「そうかー。野球の神様は甘くないなー。

 もっともっと練習しろってことやな。」

「うん。」

野球は失敗のスポーツ。

成否の裏には論理的・技術的裏付けが必要。

さらに、悔しさを忘れず、次に成功するために努力し続けることがもっと大切。

野球の神様は、努力し続けた人にだけ微笑んでくれるのだから。

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2008.04.19

藤森照信講演会「丹下健三と香川県庁舎」報告

建築と芸術の聖地 香川。
その端緒となったのが、香川県庁舎。
戦後の復興のシンボルとなった香川県庁舎建設は、
香川の豊かな土壌を築いた金子正則元知事が、丸亀中学の先輩 猪熊弦一郎より
気鋭の建築家丹下健三の強い推薦を受け、
県建築課の山本忠司と県出身の丹下研究室の浅田孝がふたりの出会いを設え、
実現した。

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道路沿いのピロティに支えられた議会棟から、その奥の事務棟のロビー、
そして中庭へと視線が抜ける、県民に開かれた県庁舎。
旧来、権威の象徴であった庁舎建築が、自分たちのものへと変わった瞬間である。

近代建築をいかなるかたちで日本に着地させるべきかを問うた伝統論争の最中で、
丹下健三は、その可能性を坂倉準三「パリ万国博覧会日本館」に見出す。
桂離宮に見る「柱梁」の表現の可能性を、前川國男事務所時代の「岸記念体育館」
「広島ピースセンター」「(旧)東京都庁舎」と追及し、その到達点が香川県庁舎である。

センターコアシステムの採用により開放的なガラス面を獲得し、
日照調整のために張り出したベランダが水平を強調し、それを支える梁が、
日本建築の木割の美学を現す。

かくして、一地方都市の庁舎の建物が、後の庁舎建築のプロトタイプとなる。
そこに関わった人たちの並々ならぬエネルギーと執念がかたちとして、
空間として結実した、20世紀後半を代表する世界的建築家丹下健三の代表作となる。

大学入学とともに建築を学び始めた頃、建築学科の先生は、ぼくが香川出身とわかると
「香川は建築どころだね。
大江先生の香川県文化会館知ってる?丹下さんの香川県庁舎は有名だね!
イサム・ノグチさんのアトリエもあるね!流政之さんのアトリエもあるね!
ジョージ・ナカシマさんの家具をつくってる桜製作所もあるね!」。
恥ずかしながら初めて耳にする名前ばかり。

建築を学ぶほどに、時を重ねるごとに、香川が特別なところであることに気付かされ、
そして、建築家を志すぼくに、香川に関わった先達の仕事と生き様は、大きな熱量を与えてくれた。


しかし、その状況は、今でさえ大きく変わったとは言い難い。


今年は、世界に誇る香川県庁舎竣工から50年。
その魅力を広く一般の方々に伝えるため、
講師に丹下健三研究の第一人者 東大の藤森照信教授をお招きし、
「丹下健三と香川県庁舎」というテーマでお話しいただいた。

藤森氏の香川県庁舎に対する評価は前述の通り、予想以上に高いものであった。


建築士会は、設計者だけではなく、広く建築に携わる人々が、
資質を高めあうことを通し、交流を図ろうとする場である。
高松支部青年部会は、数年前から「建築」を学ぶことと、
建築の魅力を広く伝える活動に重点を置き活動してきた。

2009年度の青年・女性建築士の集い 中四国ブロック香川大会を
香川の建築の魅力を掘り下げ発信する場と捉え、今回の事業はその布石である。

メンバーは、「是が非でも会場は県庁ホールで!」というぼくのわがままに
皆付き合ってくれ、県庁舎の魅力を何とか伝えたいという県の有志と協同し、
貸し出しにこぎつけ、結果、準備段階で関わった人たちへの、
事業の意義の拡大と共有へと結びついた。

金子正則元知事も丹下健三も、県庁ホールは、
「県民に広く開かれたホール」であることを強く望んでいた。


意義深い設えができたことと、積極的な広報活動が功を奏し、
当日は定員430名の会場が埋め尽くされ、溢れた。
講演会というよりは、ホワイトボードを用いた特別講義のような雰囲気も、
藤森氏らしい空気に満ちた。

空港までの送迎の車中藤森氏がこう語った。
「30年前に初めて高松を訪れた際、県庁前の通りに、
県庁舎に敬意を払ったように建ち並ぶ建築群を見て、
近代建築が生み出す光景もよいものだなあと思ったんですよ」。


今回の事業に関わったぼくたちはもちろんのこと、来場していただいた方々、
そして周知活動を通じて県庁舎の魅力に触れた人たちは、
自分たちの熱量となる何かを得たに違いない。

もしそうだとすれば、猪熊さん、金子正則元知事、丹下さん、
そして、わが師 山本忠司に対し、少しでも恩返しが出来たのかなあと思います。

最後に、各々今回の事業に意義を見出し、積極的に献身的に動いてくれた
高松支部青年部会のメンバー、TTCのメンバーに深く感謝します。

本当にありがとうございました。
来年の中四国ブロック大会をさらに意義のあるものとすべく、
一致団結、誠心誠意がんばりましょう!

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2008.04.17

藤森照信講演会「丹下健三と香川県庁舎」

芸術と建築の聖地 香川。

国内外から多くの人たちが香川を訪れる。

その端緒となった出来事が、香川県庁舎。

 

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裁判官であったが、戦争を理由に「郷土の堆肥となんと悲願し」

香川で弁護士に、その後、戦後初の民選知事となった金子正則が、

焼け野原となった香川の戦後復興の象徴であったのが県庁舎建設。

丸亀中学の先輩 猪熊弦一郎画伯の強い推薦を受け、

また、県建築課 山本忠司と丹下研究室の県出身 浅田孝氏の

執念ともいえる熱意もあり、丹下健三が設計するに至った。

その県庁舎竣工から今年で50年。

昨年から、香川県建築士会 高松支部 青年部会のメンバーと

香川県庁舎の建築の魅力を伝える企画を模索し、

丹下健三研究の第一人者、東大の藤森照信氏に講演をお願いした。

藤森氏は建築史家でありながら、一方で、

屋根にニラを生やした「赤瀬川源平邸」など、ユニークな設計でも知られている。

一般の方に、わかりやすく、お話ししていただけることを期待しています。

広報活動もこれまでになく活発に行い、タウン誌、専門誌、

TVにラジオ、いろいろしゃべってきました。

その極め付けが、藤森さんに講演会のテーマである

「丹下健三と香川県庁舎」と題して、四国新聞に投稿していただき、

合わせて講演会の周知を行うという企画。

時間の無い中、藤森さんも快諾いただき、本日付で掲載!

会場は、県庁舎内、県庁ホール!

入口のピロティ上が、県民に開かれたホールとして計画されたものの、

近年は、県庁内の事業にしか使用していない、言わば開かずの扉だった。

これまでにも、何とか借りられないものか画策したが難しく、

今回、県職員有志の方々が協力していただき、

竣工式を行った県庁ホールで、竣工50周年の講演会となった。

準備を進めていく中で、思っていた以上に意義のある企画だったことに

改めて気付かされました。

藤森照信講演会「丹下健三と香川県庁舎」

2008年4月19日(土)

開 場 13:30 

講 演 14:00-16:00

場 所 香川県庁舎ホール

入場料 無料

主 催 社団法人香川県建築士会 高松支部 青年部会

共 催 香川県/社団法人香川県建築士会 青年委員会

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