讃州屋
うどんに取り憑かれた頃、狂ったようにうどんを食べた。
1日5軒を週に5日。一か月で100軒。
半年で300軒。
「それだけ食べると、どれがどれだか味が分からなくならんの?」
FMの番組で、パーソナリティーの山下アキさんに聞かれた。
もちろん、そんなことはありません。
ただし、「もの凄くおいしい」と思う店と、
「そこそこおいしい」の違いは、最初ははっきり分かりませんでした。
食べていくうちに分かったその違いは、
「もの凄くおいしい」うどんは、時間がたってもその感触が鮮明に残り、
「また食べたい」という衝動が湧き起こります。
「そこそこおいしい」うどんは、その衝動にまで到りません。
善通寺の「讃州屋」は、頭のどこかに、いつも衝動が残っているお店です。
ぶっかけには、ネギ・ショウガとレモン。
そして鷹の爪。
つやつやでエッジの効いたコシのあるうどんはアルデンテ。
人呼んで「ぺペロンチーノ」。
同じ善通寺の名店「山下」と似ているという話しをすると、
宮武ファミリーや「谷川米穀店」、るみちゃんこと「池上」など名店が使用する「緑あひる」の日讃製粉の景山篤弘社長は、丸亀の「さぬきや」の流れだと
教えてくれた。
そう言われれば、店内の佇まい、設えが重なる。
派手さは全くないが、わかってる固定客の多い店。
こういう店がしっかり残っているのがさぬきうどんの奥深さ。
数多あるうどんの中でも、かなり好きなぼくのとっておきの店のひとつ。
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