house hu
建築の設計は、「敷地を読む」ことから始めます。
方位や、道路の位置、広さはもちろん、
周囲のスケール感や、佇まい。
どのようなヴォリュームを置けば、
周辺の環境と融和させることができるのか。
通常、可能な限り建物を東西に長く、
南側を空け、日照を確保することを試みます。
徳島市の閑静な住宅街。
北側の住宅の雰囲気から、30年以上住んでいる年配の方。
その佇まいから、ちょっと気難しそうな感じ。
建設の敷地は長年、空き地の状態で、そこに敷地北側に2階建ての
ヴォリュームが来ると、日照が遮られ、嫌な感じになることは明白。
幸いにも道路は、南と東。
敷地西側にヴォリュームを寄せ計画。
北側のお宅は、昼過ぎまで十分に日照が確保できる。
1階 南面からと、2階の見上げる中庭から直接に間接に採光。
視線や気配、光が交錯し、錯綜する。
外周面に、必要に応じ、スリット状の窓をちりばめた。
防犯上、物理的に進入することのできない幅のスリット。
ASJ徳島スタジオのオープニングのイベントで来ていただき、
一昨年の7月から計画がスタート。
とても、個性的なご夫婦で、打合せも楽しくやらせていただきました。
それまでの仕事も、何度となく見に行かれ、
かなり惚れ込んでいただきました。
計画当初から、最低限の要望をよく整理したうえで伝えていただき、
それ以外の部分は、
「それに関しては、特に希望はありませんので、
先生の良いようにしてください。」
とおっしゃっていただきました。
ぼくは、かなり細かく、キッチンでの動きや、家事のパターンを考慮し、
確認しながら仕様を決めますが、奥さんは、見事なほどに、
「いえ、特に気にしません。」と、サバサバ。
しかし、外壁に関しては、ぼくは、場所の特性から、
白く柔らかく光を反射する素材が良いと説明しましたが、ご主人は、
「サンシャイン歯科」と「house tn」と同じ外壁がよいと頑とし、
奥さんは「先生、ここで主人を説得しないと後悔しますよ」と、援護射撃。
結果、素材がマイナーチェンジしており、より深みのある素材となり、
この場所には最適な質感を獲得でき、良かったのではないかと思います。
さらに写真を見たい方は、アルバムへどうぞ。
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