JB
Do you see the light!
「ブルース」や「ソウル」への興味を持ち始めた頃、
レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンやサム・クックと並んで、
どうやらソウル・ミュージックの中でも
特別な存在であることが容易に分かったのが、
JBことジェームス・ブラウン。
映画「ブルース・ブラザース」では、牧師の役で登場し、
迷える兄弟に冒頭の言葉を投げ掛け、啓示を与える。
貧しい生い立ち、アメリカのショービズ界でのし上がるための振る舞い、
そして、ハチャメチャな私生活から、
滑稽なほどの破天荒なイメージは拭えないが、
鉄壁なバンドをつくり上げ、「ソウル」から「ファンク」を生み、
マイルス・デイビスをはじめ、現代の音楽にいたるまで、
様々な影響を与え続けた正に"The Godfather of Soul"巨人である。
同時に、無名時代からの世話になったDJや関係者の名前などを
驚異的なまでに覚えているという逸話は、JBの律儀な面を物語っている。
ライブは、緻密に完璧に構成され、見事にパフォーマンスに昇華された。
そのプロ魂はすざまじく、
"The Hardest Working Man in Showbiz"
(ショウビジネス界いちばんの働き者)と称えられた。
ぼくの、父方の祖母は、容姿がJBに似ていた。
家族のみならず、ご近所の方にも大変世話を働き、
信頼を得ていたが、どこかユーモラスなところがJBと重なり、
JBには、勝手に、特別な親近感があった。
娘がお腹の中にいるとき、ぼくは、サム・クックのように
優雅で、紳士的で、懐の深い人間になってほしいと、
家内に音源を預けたが、何をどう間違ったのか、
ばあちゃん似のJBを聴かせていたようで
ファンキーで、世話焼きな娘が生まれてきた。
さほど信心深かったとは思えないJBが、
イエス・キリストの生まれた日に天に召された。
JBの肉体は消えても、彼の残したSOULは
聴くものの魂に響き続け、そして、こう問いかけるだろう。
Do you see the light!
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