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2006.12.26

JB

Do you see the light

「ブルース」や「ソウル」への興味を持ち始めた頃、
レイ・チャールズ、アレサ・フランクリンやサム・クックと並んで、
どうやらソウル・ミュージックの中でも
特別な存在であることが容易に分かったのが、
JBことジェームス・ブラウン。 

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映画「ブルース・ブラザース」では、牧師の役で登場し、
迷える兄弟に冒頭の言葉を投げ掛け、啓示を与える。

貧しい生い立ち、アメリカのショービズ界でのし上がるための振る舞い、
そして、ハチャメチャな私生活から、
滑稽なほどの破天荒なイメージは拭えないが、
鉄壁なバンドをつくり上げ、「ソウル」から「ファンク」を生み、
マイルス・デイビスをはじめ、現代の音楽にいたるまで、
様々な影響を与え続けた正に"The Godfather of Soul"巨人である。

同時に、無名時代からの世話になったDJや関係者の名前などを
驚異的なまでに覚えているという逸話は、JBの律儀な面を物語っている。

ライブは、緻密に完璧に構成され、見事にパフォーマンスに昇華された。
そのプロ魂はすざまじく、
"The Hardest Working Man in Showbiz"
(ショウビジネス界いちばんの働き者)と称えられた。 

Photo_26

 

ぼくの、父方の祖母は、容姿がJBに似ていた。
家族のみならず、ご近所の方にも大変世話を働き、
信頼を得ていたが、どこかユーモラスなところがJBと重なり、
JBには、勝手に、特別な親近感があった。

娘がお腹の中にいるとき、ぼくは、サム・クックのように
優雅で、紳士的で、懐の深い人間になってほしいと、
家内に音源を預けたが、何をどう間違ったのか、
ばあちゃん似のJBを聴かせていたようで
ファンキーで、世話焼きな娘が生まれてきた。


さほど信心深かったとは思えないJBが、
イエス・キリストの生まれた日に天に召された。

JBの肉体は消えても、彼の残したSOULは
聴くものの魂に響き続け、そして、こう問いかけるだろう。

Do you see the light
 

http://www.youtube.com/watch?v=o9-RgODanSc

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2006.12.21

house en オープン・ハウス

「古事記」では、日本の島々のなかで、最初に出来たのが淡路島、

次に四国だと記されています。

淡路島は、阿波への道、つまり徳島へ向かう地。

徳島の景観は、吉野川と眉山が束ねている。

その徳島のシンボル 眉山のほど近く、

眼前に眉山を望む住宅地に、住宅が完成しました。

やわらかい光にあふれるテラスや中庭は、

生活の空間と周囲の環境を融和し、ほどよい距離感と安らぎ、

そして静寂を生み出し、眉山の空気を伝えます。

   

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昨春、スタートした、ASJ徳島スタジオの最初の作品です。

ASJ(アーキテクツ・スタジオ・ジャパン)に登録し、来春で4年。

イベントで、ものすごい数のクライアント候補の方々と

お話しする機会を得たことは、大切な財産となっています。

お客様とのお話の中で、建築についてこちらが考えることの

どの部分をどのように伝えるのかという点がもっとも難しい。

 

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諸条件からかたちへと至るデザインの過程を

建築の専門的で難解な用語を用いて説明することを望んでいる人など、

ごくごく僅かです。

ぼくの作品を観て、よいなあと思って、

期待し、希望を抱く方もおられれば、

「自分たちの場所と予算といった条件で、

どのようなものを提案してくれるのだろう。」

ということに加えて、自分たちの希望を聞いてくれるのだろうか、

という不安を抱いておられる方も大勢おられると思います。

また、生活する前の状態の写真の生活感のしない印象から、

極端に言えば、嫌悪感さえ抱く方もおられるでしょう。

 

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そうした中で、個々の方々への、お話しする時点での興味や、

建築に対する理解度に応じて興味を引き出し、お話しすることが、

少しずつ出来るようになってきたのではないかと思います。

今回のクライアントは、初対面の際、写真から得る印象で、

仕事があまりにクールで、突っぱねた感じに思え

ぼくは、対象外(笑)だったようですが、

お話しするうち、ぼくが日常の生活の中でのことを熟慮したうえで

設計していることに触れ、計画がスタートしました。

探究心が旺盛で、こちらの意図を端的に理解し、鋭い質問が飛ぶ。

非常に楽しい打合せ、やり取りが出来ました。

奥さんは、工事に掛かってからも、

色々な媒体で事例をたくさん研究され、

ご主人に、既に決まって、工事に掛かっているのだから、

もう他と比べなくていいんじゃないかと、言われるほど。でも、

「色々見ても自分たちの建築の方がいいことが確認できるし、

 設計の意図がより理解できるからいい。」ようです。

 

結果、心地よく生活していただけそうな空間を

提供できたのではないかと思います。

クライアントのご好意により完成見学会を開催いたします。

住宅空間を実際に体験するまたとない機会ですので、

ぜひ、足をお運び下さい。

日時:12月23日(土)・24日(日)

   10:00~18:00

場所:徳島市南佐古

   市立佐古小学校の南側の道を西へ3本目の道を南へ。

   道の東側3本目の道を左折(東へ)200m

 

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2006.12.19

「松家」

うどんの在り方は多種多様で、だから奥が深い。

食感に加え、太さもバラエティーに富んでいる。

しかし、複数の麺を出す店となると限られる。

「松家」には、「太いん」と「細いん」がある。

数十年前と比較すると、全体的傾向として、細くなっているようだ。

食感の問題に加え、太いと湯で時間が長くなり、

また、湯がく加減も難しいようである。

「松家」は、お客さんの要望にこたえて「細いん」を出し始めたようだ。

どちらも、それぞれ抜群にうまいが、どちらにするのか悩む。

同じ生地でありながら、太さの違いで、違った味わいが生じる。

悩んだ結果、ある結論にたどり着いた。

「太いん」と「細いん」を一玉ずつ、同じどんぶりに入れて食べる。

一回で、二度楽しめる。

 

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これまでにも書いてきたが、一度水で締めたうどんは湯がかない主義だ。

カウンターにあったかいダシがあるが、奥の台に冷たいダシがある。

しょうがをたっぷりと入れる。

 

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うまい!

自然と顔がほころぶ。

狭い路地の多い周辺のスケールとマッチした佇まいもよい。

 

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そんな、さぬきうどんを代表する店である「松家」が、

今月22日をもって閉店する。

閉店の理由は分からないが、たまらなく寂しい。

小麦のしっかりつまった食感は唯一無二の存在である。

 

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