「松下製麺所」
江戸時代、うどんにはコショウだった。
松平家の離宮、名園栗林公園は、
目の前の中央通りがかつて川だったので、
伏流水があり、清水が湧き出ている。
澄んだ伏流水のお蔭で、周辺には、酒蔵や製紙工場、
そして、洗練されたうどんやが、何軒かある。
そんな松下のうどんはシルキーで、ソフィスティケイトされている。
お父さん、お母さんの実直な人柄がよく出ているうどんである。
ネギは、細く、細かい。
ばあちゃん特性のてんかすは、雪のようにさらさらである。
だしは、すっきりと、臭みのないイリコだし。
トータルに、非常に完成度の高いうどんである。
この店には、コショウが置いてある。
文頭の文言のよろしく、うどんにコショウをかけて食べるからではない。
店名が「松下製麺所」であるから、うどん以外に、
定番のそば、そして、ラーメンをつくっている。
そして、松下の楽しみ方は、うどんとラーメンを同じどんぶりで、
「ちゃんぽん」していただくのである。
ゆえに、コショウが必要なのである。
ぼくは、一度水でしめたうどんを湯がかない。
ラーメンだけをテボで湯がく。前述の薬味を入れ、
さらに、しょうがをかなり多めに入れ、
コショウをかけていただく。
うまい。
ちゃんぽんすることに、二の足を踏む人もいるが、
百聞は一食にしかず、トライしてみてください。
新しい喜びがあなたを迎えてくれます。
さらに、うどん、ラーメンに加え、そばも一緒に
三種三玉「ちゃんぽん」する猛者がいる。
この冬、試してみたい。
The comments to this entry are closed.
Comments