« 「UDON」 | Main | 四十不惑 »

2006.09.14

GODZILLA RETURNS

松井秀喜が約4ヶ月ぶりに復帰し、4打席連続安打。

デレク・ジーターの言葉を借りれば「簡単なことではない」。

松井選手の動作は、決して美しいものではない。

キャッチング、スローイング、ランニングフォーム、

そして、ホームランを打ったスイングでさえ、

いつもぎこちなさを感じる。

メジャーに移籍してからは、ホームランヒッターではなく、

中距離打者である。

メジャーというと球速100マイル(161km)を投げる投手が

何人もいて、かつては「力と力の勝負」という印象があった。

しかし、現実にはそんなに単純なものではなく、

微妙に変化するツーシームなど、バットの芯をわずかにはずすといった、

かなり理知的な野球をする。

速い球を打つことはもちろん簡単ではないが、速さは相対的なもので、

緩急の組み合わせによって130kmの球を150kmに感じさせることも可能だ。

松井秀喜はメジャーに対応するためにホームランよりも、

まず、正確にミートする感覚を身につけ、

その上でホームランが増えていけばよいと思っていたはずだ。

しかし、力を込めたスイングでないとオーバーフェンスしない。

ミートに主眼を置いたバッティングでは、

スイングの軌道はコンパクトにならざるを得ない。

正確にミートし、かつ、オーバーフェンスさせるためには、

筋力を尋常は範囲を超えたものにする必要がある。

これは、ある筋からの情報であるが、今シーズン、

彼はホームランヒッターになるべく、筋肉増強剤の使用を

決意したらしい。

ドーピング検査の無いメジャーでは、筋肉増強剤の使用は

選手のモラルの問題。

近年の、様々な選手が疑惑に掛けられ、その釈然としない反応振りから、

かなりの選手が使用していることは明白だ。

松井秀喜の動作は美しくない。

しかし、彼の野球に取り組む姿勢、チームに貢献するための姿勢、

野球そのものの普及と理解を広めることに対する姿勢は美しい。

その局面で、どんなプレーをすることがチームに勝利を呼び込むのか、

彼は、そのイメージを明確に持ち、かなりの確率でトレースできる。

人間 松井秀喜は美しい。

ゆえに、チームに、野球界に必要な選手だ。

だが、その彼が禁忌に手を出した。

因果関係は明白ではないが、ゆえにWBCに参加せず、

そうした彼らしくない、後ろめたい行いが、

4ヶ月前の有り得ない事故を呼び起こしたように感じられる。

野球は、大変高度な技術が必要なスポーツだ。

その技術を体得するための姿勢と莫大な時間の積み重ね=練習。

身につけた技術を試合で発揮するための自信と精神。

復帰戦の松井秀喜は美しいスイングをしていた。

ミートに集中していたことと、

野球が出来る喜びが伝わってきた。

ぼくが願うことはひとつ。

人間 松井秀喜の持つ、真摯な姿勢を貫いて欲しい。

その時が、真の復活。

|

« 「UDON」 | Main | 四十不惑 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference GODZILLA RETURNS:

« 「UDON」 | Main | 四十不惑 »