家族 と 住宅
29日、30日とASJ徳島スタジオのイベントへ参加してきました。
その中で、こんな話になりました。
その方は、いろいろな建築家と呼ばれる方々とお話をされ、
ある建築家が、こう言ったそうです。
「子供はいずれ家を出るもの。だから、子供のことは考えなくてよい。
夫婦おふたりの生活を主眼に設計をしましょう。」
「こう言われたのですが、どう考えられますか?」と奥さん。
お子さんはもうすぐ2歳の子供がひとり。できれば、あとふたり。
それより多くてもいいと思っておられるご夫婦。
子を持つ親なら誰でも経験することですが、
ひとりでは何もできない子供に親は日々振りまわされます。
他に助けを求められる人のいない核家族での生活なら、
子供を中心に家族が動いているといってもよい程。
子供と親は不可分な関係。
子供の成長と共に親は子供から多くのことを学びます。
そして、段々と「親」に成ってゆく。
今や家族が家族であることが非常に困難な時代。
「家族」は最初からあるのではなく、「家族」に成っていくもの。
その器としての「住宅」は、家族の関係に大きく関わるもの。
建築の設計に携わるものは、その「家族」の在り方に
社会的な責任が当然あります。
しかし、残念ながら大学でもそのことは教えません。
ある限られた建築家が社会学などを拠り所にしながら、
様々な家族のあり方に対する試みを続けています。
「住宅」は、「家族」という共同体を培養する器。
だから、責任は重く、
だから、職能としての意味がある。
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