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2005.06.30

モネ

地中美術館は、福武さんがモネの絵画5点を
購入したことから始まった。

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現代美術館としてスタートしたベネッセハウス

第1世代の美術館は、既存の建物を作品展示空間に流用。
代表としての、ルーブル美術館。
第2世代の美術館は、変化する展示作品に、
鑑賞環境として、影響を与えない、
白い壁、やわらかな採光、所謂「ホワイト・キューブ」。
第3世代の美術館は、建築空間と芸術作品が不可分な関係。
空間が作家を挑発し、創作意欲を掻き立てる。
また、固定化した作品空間をコラボレーションする。

モネの「睡蓮」を展示するためにつくられた空間は、
作品と不可分という意味で、十二分に現代美術館!

印象派を代表するモネは、甘ったるい感を拭えず、
取り立てて興味を持たなかった。

果たしてその空間は、
逆光の水面にきらめく色の断片の様相を
やわらかな光が拡散する空間が
モネの真意を補完していた。

かつてのワクワクする空間をもはや創造し得なくなった
安藤忠雄の久方ぶりの快打。
大きく面を取った大理石の床は、
トップライトから降る光をさらにやわらかく反射する。
スリッパに履き替えるが、ここは、足の裏で感じるのが正解。
「やるな~安藤さん!」と、かつてのアイドルの
よい仕事に感心したが、なんとこれは、
地中美術館館長秋元さんのアイデアのようだ!
秋元さんが凄い!

山崎山荘からの2点の枠は、白い大理石で、
これも空間の淡さを増長。

絵画の配置とその空間のプロポーションは
他に例を見ないほどに絶妙!

必体験。

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ジェームス・タレルに翻弄された

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過日、地中美術館へ行った。

パオがある辺りに宿泊棟が建設されるというので、
パオには一度泊まっておきたいので宿泊となった。

それで、「ナイト・プログラム」っていうのがあるので
申し込んだ。
夜の地中美術館を見せるという趣向だと思っていた。

日中見た「オープン・スカイ」は、金沢同様、
タレルにしては凡庸で、ロマンティックに思えた。

しかし、「ナイト・プログラム」こそ、本質ではないか!
凄い。
人間の視覚という機能を揺さぶるタレルの本領!
絶妙にコントロールされた光の強弱と波長(=色)!
切り取られた空の色が面白いように変化する。

フレームがニークロのナックルのように揺れ、
そして、フレーミングされた空と天井が同化し、
消える。

物事は、その文脈や解釈を添え、理解できることも多い。
また、圧倒的な表現は、その背景を凌駕し、
時として、万人の深奥に届く訴求力を持つ。

感受性を試し、悟性を覚醒させる。

美術を学ぶという意味において、
ベネッセは、最高の教材をつくった。

猪熊弦一郎現代美術館の館長室で見た、
猪熊さんの言葉がフラッシュバックした。
「美術館は心の病院」

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2005.06.14

ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ

そこはかとなく、深いやさしさで包んでくれる音。

彼らの虚勢やはったりのない豊かな音は

一体どこからもたらされるのだろう。

琴線を共鳴させるルーベン・ゴンザレスのピアノ。
メロディー。。。

音の連続は、ここまでこころの深奥に届くものなのか。

出演者中唯一スターであり続けるオマーラ・ポルトゥオンド。
その、たおやかな声は、天賦のものなのか。

あるいは、人としての豊かさが発露するのもなのか。

どのミュージシャンも深く、やさしい音を奏で、

その憂いに満ちた音が重なり、内奥まで沁みる。

音楽を聴いていて、本当によかったと思えた作品。

公開された2000年は、人生の深淵にあった時期で、

何度も劇場に足を運び、涙した。Photo_12

先日、DVDを購入し再見。

必見、そして必聴!

高松のまちをいま一番面白くしてる「まちラボ」の
第1回目のBGMが、ブエナ・ビスタの本当の立役者、
ファンデ・マルコス・ゴンザレスの

「アフロ・キューバン・オ-ルスターズ 」だったのも、

何かの縁か。

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2005.06.08

書き初め

初めてで、よく分かりませんが、書いてみます。

これまでの人生で、「日記」が続いたことがないのですが

記録として。。。。

最近は、どこのハウスメーカーさんの住宅を買う(!)のか、
という選択肢の中に、フツウに、「建築家に頼む」というのも
かなりの割合で、増えていると実感しています。

書いてみて驚きましたが、
住宅を「買う」という言葉は、何だかスゴイですね。
単なる「モノかよ!」って、感じですね。
ハウスメーカーさんは、大量生産のパーツ(!)と
流通経路の問題で、それなりにコストを削減することができます。
しかし、実際に計画をするのは営業さんで、
しかも、建築の専門的な勉強をほとんどしていない方々です。

建築家紹介の業種も増えましたし、
「建築」に対する認識が高まればよいなと
強く思ってましたが、この2年での変化は、
ぼく自身、驚くばかりですが、
このチャンスをいかに文化として形成できるのかが、
大きな問題です。

先週の四国新聞の経済面に、ぼくの設計したJR琴平駅の
キオスクが掲載されましたが、設計者については、
一言も触れられませんでした。。。。

がんばります。

Kioskscan032l01_1
 

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